1991年9月号/文藝春秋社
マニア向けではなく一般の、それも文藝春秋が発行している女性誌にSMが特集された。ある意味でこれはニュースだと当時思ったものである。「家畜人ヤプー」の出版から20年余、ついにSMはマスコミの表舞台に躍り出た。
しかも
マゾ男体験取材記事を泉麻人が執筆していた。
どちらかというと
男がマゾ、
つまり
フェムドム的な側面 がしっかりとフォローされていたのである。
いやむしろ「S男がM女を縛る」といった伝統的なイメージはほとんどなかったと思う。「Queens」や「Secret」といったM男向けメディアが取り上げられ、SM設備のあるホテルの紹介やマニアックな関連情報など、一般女性誌でここまでやるのか?と言えるぐらいの入れ込みよう。出版社というところは、女性誌といえども編集部は男が多い職場である。作家やライターに外注の女性を起用はしても社内にはマゾ男がひしめいている。長年抑圧され続けてきたエム魂が昭和の終焉ともに解き放たれたのか。
この雑誌が発売された年は、南アフリカでアパルトヘイトが撤廃された年でもあり、特集記事の中でSM論と絡めて取り上げられていた。(だけどこれはちょっと無理めというか、意味不明だったかな。話の流れが逆なんだもの)
女性の社会進出が定着し、キャリアウーマンがサラリーマンと同じようなトピックを雑誌に求めるような時代を反映してか、女性誌はこぞってきわどいセックスの話題を特集するようになっていた。まさに「女性上位」、フェムドム時代の到来を実感させるうねりが渦巻いていたのである。SMの一般的なくくりの中ではいまいちマイナーだった男性マゾヒズム市場の規制緩和がようやく実現され、本当の意味でフェムドム・カルチャーの夜明けが到来した。
(と、日記には書いておこう...)
カテゴリー名:Femdomメディア史

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