FC2ブログ

マゾヒズムに花束を!

恥ずかしくて、ためになる情報発信 Female Domination & BDSM

サージェント「マダムX」 

サージェント「マダムX」

ジョン・シンガー・サージェント「マダムX(ゴートロー夫人)の肖像」1884年

 
 昨夜、 NHK-BSプレミアムの美術番組 サージェント の絵画をたまたま見て驚きました。

 今から20年以上昔、N.Yの メトロポリタン美術館 で初めて実物を目にした懐かしい絵だったからです。

 やはりその時にこのアーティスト名を初めて知った僕は一目惚れし、過密スケジュールで2週間という短い滞在期間中に3回も足を運んだ想い出深い作品です。
  
 (この美術館は世界最大規模で、2~3回ぐらいではとても全部を見尽くせないほど広い)

 それ以来僕は大ファンになったのですが、John Singer Sargent (1856-1925) は、個々の美術作品が紹介されたことはあっても、画家として大規模な展覧会が国内で開かれたことがなく、 多作なわりに 日本ではそれほど馴染みのある画家ではありません。


 随分昔に、東京国立博物館で公開された「ストークス夫妻像」
ストークス夫妻


 画集も書籍類も僕の知る限り、日本語での出版は今のところされていないようです。

 しかし海外での評価は高いので、日本の美術評論家のウケもよろしく、一部で人気のある興味深いアーティストです。

 なので僕も詳しいことはあまり知らないのですが、昔からただ単純に、きれいな女の人をよりいっそう魅力的に描く人だなぁ~と思っていました。

 ルネサンス期のイタリアの画家 ティツィアーノ が似たような横向きのヴィーナスを描いています。

 サージェントはイタリア生まれのアメリカ人ですが、彼がこのティツィアーノのヴィーナスを意識していたかどうかはわかりません。「マダムX」は月の女神ディアナをモチーフにしているとされています。

 この人はわりと伝統的な手法で肖像画を描く一方、印象派の画家たちとも親交が深く、 クロード・モネをモデルに描いた作品 では、見事に印象主義っぽい画風を見せています。


 でも こういう感じ が彼の真骨頂で、「最後の肖像画家」と呼ばれました。


ニコール・キッドマン


 「マダムX」のスタイルは後世に画期的な影響を与え、女優ニコール・キッドマンもお気に入りのこのポーズには、

 誘うような妖艶さと、突き放すようなクールさが同居し、

 Femdom Art にも通じる趣に僕は魅了されます。

 この絵はほぼ等身大の大きい作品なので、展示室で下から見上げると、

思わず跪きたくなった衝動 が今でも忘れられません。

 ああ、これが本物が持つオーラなのだなと、その迫力に圧倒されました。

Mr.Sargent


 ルノワールが描くようにリラックスした姿勢ではなく、身体への負担が大きいポーズをモデルにあえてさせることで、女性の美しい身体のラインを引き立たせようとしていた経緯や証拠が、NHKの番組では解説されていました。
 
 19世紀末、現代にも通用する新しい美のスタイルを独自に模索していたサージェント。

ヴオーグ表紙2

 今でこそハリウッドのセレブがごく普通にやっている、胸を大胆に見せるこのファッションも、サージェントが切り開いたとされています。

 20世紀の革新的なモードとして、雑誌ヴォーグが意識的に採用しました。

ヴオーグ表紙1

 アメリカからフランスにお嫁にきていたマダムX(当時23歳)は、パリ社交界トップクラスの美人としてアイドル的注目を集めていました。

 そして同じくアメリカからパリに修行に来ていたサージェント(当時26歳)も期待の新人肖像画家として売り出し中。

 この珍しいアメリカン・カップリング初の肖像画が世間の物議をかもしたのです。


 当初発表されたバージョンでは、向って左側の肩ヒモがズレ下がっています。

マダムX発表時バージョン


 これが当時の常識ではあり得ない淫らな表現とされ、糾弾されてしまう。

 まだ後期印象派が主流の19世紀後半の保守的な時代にこの過激さは百年早かった。

 大スキャンダルとなり、モデルの夫人は肖像画の受け取りを拒絶し、社交界を去ります。

 失意のサージェントもイギリスに渡り、肩ひもを書き直した絵を自宅で大切に保管していました。

 そこでメトロポリタン美術館が、パリでは悪名高かったその絵を、アメリカ市民の財産に譲って下さいなとラブコールをおくります。

 サージェントは不本意だったのか、喜んだのか、

 「これは自分の最高傑作だ!」と言って、母国アメリカに二束三文で売却したのです。

 さらに後になって、モデルだった夫人の手紙が発見され、(絵の完成直後の発表前には)彼女もこの絵を最高傑作であると高く評価していたことが明らかになりました。

 
 この時代の肖像画というのは、たいてい金持ちのパトロンが「俺をかっこよく描いてくれ~」とか、「僕の奥さん美人に描いて~」みたいにクライアントから画家に依頼されるものですが、「マダムX」の場合、サージェントの方から彼女の美しさに惚れこみ「描かせて下さい」とお願いしています。つまり依頼主の存在しない自主制作の肖像画。

 そもそもこの時点で、火のないところに煙はたたないうさんクサさが臭います。

 「マダムX」が描かれたこの当時のもう一つの社会的特質は、パトロン達の巣窟でもあるパリの上流階級において、女性は結婚までは貞淑を守りますが、結婚してしまえばあとは自由の身という、今とは逆の価値観です。

 まぁ、実際は現代も不倫天国。似たようなものかもしれませんが....

 (結婚するまで処女って人は当時ほど... どうでもいいかそんなコト)

 人妻にとって社交界はアナログの出会い系ソーシャル・ネットワークだったのです。

 元々ヤンキー娘の「マダムX」は、早くして父親を亡くし、生活のためフランスの銀行家とのなかば政略結婚を母親にさせられ社交界デビュー。そこは公で不倫の相手を探す舞台だった。

 つまらん旦那は放置プレイで浮気しまくりのマダムXは、セフレ候補の男性からは女王様状態。

 サージェントのパトロンだった医師が偶然にもマダムXの不倫相手だったことから、絵のモデルになってもらえるよう手配の依頼が可能だったらしいのです。

 画家とモデルといえば、もうそれだけで「いい仲」であるのはミエミエのバレバレなわけ。

 普段あまり大きな声で言われませんが、この際はっきりさせておきましょう。

 西洋近代絵画において、男性画家と女性モデルは、じゅっちゅうファック、

ヤッテます!


 これは現代においてカメラマンや映画監督にも言えますが、被写体や女優とのいい人間関係なくして、いい作品づくりはありえません。

 だからこそあのスキャンダルはある意味では必然でもあったでしょう。

 マダムXとサージェントが実際に不倫をしていた証拠はないし、事実関係は不明ですが、少なくともサージェントにとって彼女はミューズであり、新しい芸術創作のため、二人して仲睦まじくコラボレーションをしていた証拠は数多く残されています。(様々なポーズのラフスケッチや水彩の数がハンパじゃない)

 密室の中でどれだけ濃密な時間を二人っきりですごしやがったんだ?コイツらぁ、みたいなコトを知った上で、あらためてこの「 マダムX 」を眺めてみると、なにかと楽しい妄想が膨らんでくるのは僕だけでしょうか(>_<)




おそらく番組のネタ本になったであろう伝記

StraplessStrapless
(2003/07/24)
Deborah Davis

商品詳細を見る





【あまり関連のないかもエントリー】

■ 怖い絵

■ レンピッカ展



今の日本で有名なのはおそらくこの絵かも。

カーネーション、リリー、リリー、ローズ

3年前に軽井沢メルシャン美術館で展示された「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」

提灯が丁寧に描き込まれている。これは当時のヨーロッパでブームとなったジャポニスムの影響か。この作品は1998年の「テート・ギャラリー展 英国美術の殿堂」でも東京都美術館で公開されている。


「エドワード・ダーリー・ボイトの娘たち」

「エドワード・ダーリー・ボイトの娘たち」

 名古屋ボストン美術館 子どもの世界展(2007年)


 このように最近の展覧会で紹介されたものでは子どもを描いた無難な絵が主だが、実際はマゾヒスティックでかなりヤバイ画家であった可能性を指摘させて頂きました。

 こういう Femdom 視点でサージェントを論じた美術評論家はいませんし、もしかすると僕の考えは間違っているのかもしれません。異論反論オブジェクションのありそうな人は、「そういう見方もあるかも鴨川~♪」みたいに軽く流して下さい。


関連サイト:サージェント バーチャル美術館


関連記事
[ 2011/04/19 16:56 ] 美術 | トラックバック(-) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する


プロフィール

筆者に宿る仮想人格:homer



 自分に素直になりたい!そう願っているひねくれ者なのかもしれません。平凡で小市民的な暮らしを営む一方で、過激な妄想世界を漂う、無意識過剰の仮性マゾ。



さらに詳しく




【連絡先】

メールフォーム

励ましのお便りもどうぞ!





お世話になってます



ピンクの鞭





狂い恋う

ラシオラ

あやつきのブログ

tabooバナー

バロックバナー小















アシッド

花清バナー

ミストレス

パープルムーン

BarBAR

桃太郎バナー

美花バナー

大阪SMクラブ_Fetish_SM

マルチプル

アダルトグッヅビアンカ

テレクラ・ツーショットのイエローキャット

女王様の退屈しのぎ

ゲイMT



ちょいMドットコム

DUGA

麗雅

コルドンブルーバナー

プレジス

脳内快楽バナー

更科青色の思いつき(仮)バナー

女王鏡華の猟奇的人体実験室バナー

SM遊戯バナー

麗奈ブログ

ユリイカ

一年目の浮気

whipLogo

ピンククリスタル

アマルコルド

ヴァニラ画廊

SMペディア

奇譚クラブ

東京SMクラブ

女王様出会い研究所

女王様出会い研究所

名古屋ベラドンナ_涼子女王様のブログ

名古屋SMクラブBella-Donna愛瑠(エル)

アンモナイト

月別アーカイブ


【最近のトップ画像】

PU_mesen.jpg

PU_GTOP_Randam_01.jpg

PU_Yudit.jpg

アクセスランキング

[SMカテゴリー]

21位

アクセスランキングを見る


m(_ _)m


ランキング

SM名言集



みんな違って、みんないい


yaso―特集+ドール yaso―特集+ドール





ブログパーツ