
昨年
「春川ナミオ原画展」の開催直前、団鬼六さんに謝辞を頂けないかとお願いしました。
団氏の読者層とはマーケットの異なる、ほとんどM男向けとも言える展覧会場の入り口に、S男の代表格のような人のメッセージを飾るのはいかがなものかと北川さんにはあまりいい顔されなかったのですが、団さんは快く引き受けて下さいました。
「奇譚クラブ」の同人のお立場から、春川ナミオの魅力について、
たいへん格調の高い一筆 を寄せて頂き、感激したものです。
ここ数年の闘病生活で、体調はよろしくなかったようですが、前にも人工透析をキャンセルしてSMイベントにかけつけたエピソードをご本人から聞いていたし、最近も入院中に酸素吸入器を付けたまま一時外出して花見を決行したぐらいだから、まだまだ大丈夫だろうと思っていました。
先月、最後の花見 「花と蛇」の団鬼六氏死去さらばSMの巨匠… 団鬼六さん逝く 79歳
在りし日の団鬼六さん(右) 昭和48年頃

左は「奇譚クラブ」「裏窓」の編集長だった 須磨利之 。中央は立川談志
文字通り
「SMに市民権を与えたのは私です」という著書もある団鬼六氏は、それまで通俗的だった日本のSMを文芸作品のテーマへと変革したパイオニアであり、真の文学者でした。
つい先月も、
震災に関する氏の文章 に勇気づけられていただけに、突然の訃報に胸がつまります....
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
【関連エントリー】
■ 往きて還らず■ 団鬼六「死んでたまるか」■ 春川ナミオの絵について 団鬼六よる春川ナミオのマゾ絵画評!
■ 花と蛇3■ 団鬼六「SかMか」■ SMキング/団鬼六責任編集SM雑誌
団鬼六さんと(2006年)

安らかにお眠り下さい...合掌
団鬼六と言えばやはり「花と蛇」が有名。しかし僕は彼のSM作品よりは普通の官能小説のほうが好きです。
花蛇も悪くはないんだけど、よくある「SM」っぽいオドロおどろしさよりも、観念的な味わいに魅力が感じられます。
コミックにもなりましたね。
伊藤晴雨について僕は団鬼六さんから随分学びました。
この本で、にしおかすみことの対談に団さんが登場しており、面白かった。
この人の将棋好きは有名
このようなイメージが定着しているのでしょうか....

パンチのきいたSM雑誌のエース 「SMファン」1976年 4月号

この世界の代名詞的な存在として君臨しつつ、SMというくくりにはおさまりきらない、実に多才な人でした。
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佐渡から新潟に向かう船中で
訃報に接しました。
これもまた
なにかの縁。
氏の作は
学生の頃に隠れて
こっそり愛読しました。
今は本棚に堂々あります。
大変残念。
御冥福をお祈り申し上げます。