「フツー」になったマゾヒズム 表向きは社会人が対象だったビジネスジャンプの
麗羅(レイラ)から2年。ついに青少年が読者であるヤングジャンプにも、男性マゾヒズムをテーマとする作品が出現する。
アニメ化もされた代表作「ウイングマン」をはじめ、「電影少女」「I"s(アイズ)」など、
少年雑誌にギリギリのきわどさで健全な倒錯世界を描く ことにかけてはピカいちのテクニックを誇る桂正和の、カミングアウト的な作品だ。
もともとは1996年に「MANGAオールマン4月号」に掲載された作品に加筆修正したもの。今年になって待望の
単行本が発売された。
ごく普通の男の子の心の中に、男性マゾヒズム願望が芽生えていく(「萌える」の本来的な意味がこれ)
登場する女の子も特にサディストという感じではない。日常的な一コマに突如として出現するアブノーマル一歩手前の危うい世界。コミックならでは象徴性を極めた美学がここにある。
傑作である。

雑誌「ヤングジャンプ」には巻頭カラーで掲載された(2002年1月31日)




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