
近ごろSMクラブに入店される若い女性の中には、それほどの戸惑いや違和感もなく、すんなりとこの世界に入ってこられるようです。

昔は営業的に成り立っていなかった事情もさることながら、プライベートでも
「本当にこんなコトやっちゃっていいのかしら?」 ・・・みたいな、強烈な忌避感やためらいがあったものでした。

百歩譲ったとして、とても軽いノリでやれるものではなかったハズ。
大阪のシャネル女王様のように、先天的にSで根っから好きな人がやっているのは稀なケースで、
たいていは好き者のマゾヒストが、将来性のありそうなS女性候補をめざとく見つけ出しては
「仕込む」 といった、手間ひまかける流れがありました。
(これは今でも細々と続いている伝統ではあるのですが...)
正直そんなに好きな世界ではなかったんだけど、不本意ながら彼氏にそそのかされて、ハマちゃった! てな感じの女王様に優秀な方が多かった。

しかし最近は、Sッ気はなくとも好奇心から入ってくる無邪気な女王様が増えました。
風俗業界でも「楽そうだから」という理由でソープやヘルスよりもM性感などが好まれる風潮があります。
しかし実際は、M客相手に「逆奉仕」することになるのを知るのは、入店してからになる。

ラ・シオラのように、人材育成プログラムがしっかりしているところならいいのですが、地方のSMクラブでは女王様のメンタリティーも含めて、フォローやケアーがきちんとなされているのか心配になります。
下手をするとトラウマになるような、ツライ思いをすることにもなりかねない。
なんだかんだいっても、きれいごとですまされる世界ではありません。

いずれにしても、SMそのものに対する嫌悪感やタブー意識が格段に少なくなってきており、それなりの覚悟もなく「なんちゃって女王様」に成り上がり、後から苦労することになるという不幸なパターンもみられがちな印象があります。
春川さんの言葉ではないですが、やはり「ありきたりの世界」ではない。
興味本位の腰掛けでやるようなものではありません。
そんなことを言える時代ではないのかもしれませんが、僕にとっては今でも禁断の、オドロおどろしい世界。

趣味でやるにしても安易に行われるべきなく、慎重にやって欲しい。
この世界、そんなに簡単に入ってこられても困るんだヨ(>_<)って感じ?
プレイ前のカウンセリングなどで、こちらはやっとの思いで心の闇を深刻に打ち明けているのに、
アハッ! (^o^) みたいに、あっけらかんと受けとめられてしまうと、失望するし、逆に不安にもなる。
最近の女王様ブログなどを読んでいると、若い人ほど屈託なく、気ままに書いているように見えます。
それが悪いというわけではなく、むしろアルバムだけで何も情報がないよりはましなのかもしれないけれど、フィーリングがあわないかもという、ネガティブな判断材料にもなったりもします。
もちろんブログだけで全てを簡単に判断できるものではありませんが、昨今、女王様ブログも当たり前のようになり、アルバム指名より効率が高いので手を抜けない部分でしょう。
新人でブログを公開はしていても、更新の少ない女王様は、もしかするとこの世界に肌があっていないのかな?とも思えてきます。

昔は、お世話になった女王様が普段何を考え、他のお客さんとどのようなセッションをしているかなんて知るすべはなく、とても神秘的でミステリアスでした。
ブログのおかげで今の女王様は、さながらAKB48のように、ぐっと身近に感じられる。
女王様ブログもある意味では、女優やアイドルタレントのブログと同じ意味を持っているわけで、M男の妄想を膨らます巨大なメディアの一つに成長しました。
皆さんそれぞれのスタイルで書かれてはいますが、営業的に少し背伸びして書いているのか、マイペースでリラックスして書かれているのとでは随分印象が違う。
セッションでバレてしまうようなハッタリは、あまり書かないほうがいいと思います。

なめられないよう(局部ではなく)ヘタレMがびびりそうなコトを頑張って書いてみても、ドMの指名が殺到するわけではない。
それが本当に好きで、正直に書いているのならいいけれど、どこかに無理があると、結局ストレスがたまることになります。どのようなタイプにも対応できるプロ根性があっても、なるべく相性のいいお客さんやリピーターを増やされる方向でいけば、セッションの質も高まると思うのです。
いい出会いというのは、自分でつくるものです。そういう真の意味でのコミュニケーション・ツールとしての価値がブログにはある。
ただ、僕は、ブログはあえてセッションを前提とせず、読み物として割りきって読んでいます。

彼女たちはそれなりに得難い体験を重ねているので、日々是勉強のプロセスが赤裸裸に描かれており、女王様奮闘記のようなエンターテイメントとして読める。
そこにウソやハッタリがあったとしても、そうした表現力も含めて成長の奇跡が見えて微笑ましい。
今やベテラン女王様のブログにいたっては、文学的な格調すら感じられるものもあります。
多種多様なマゾヒスト達との出会いや経験が、豊かな感性を育み、新たな才能を開花させていったのは間違いありません。

どんなご縁でこの世界に足を踏み入れたのかは存知あげませんけれども、誰にでもできるような生半可なお仕事ではなく、「選ばれし人」であることを自覚されて頂きたいです。
この仕事に誇りを持ち、悩めるマゾヒストの夢を叶えてくれている全ての女王様を僕は敬愛しております。
まぁ、僕みたいなヘンな客から指名されないように、おっかないコトや痛いことばかり書くのもいいんですが、
ひょっとして、将来ご縁がございましたら、その時はよろしくお願い申し上げます~ m(_ _)m
*写真と本文は一切関係ありません...
「業界歴半年」という、サバのよみかたが笑える(^^) 若かったね~ 【関連エントリー】
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