「どえむ」も、歌のタイトルになってしまうほどに市民権を得たということなのか。
初音ミク どえむ この言葉(ドエム、ドM)の持つクオリアは、この数年で変化してきているように思う。
不等式で現すと、昔は
マゾ < ドM だったのが、今は逆転している?
というか、「ドM」の響くインパクトは弱くなっているような印象がある。
そもそもマゾとエムの差異も明らかにされていません。
ドマゾという言い方もありますが、僕には「ド」がついてるからといって必ずしも強調されているようには思えません。
むしろ親しみのある愛称としての意味合いのほうが強いのではないでしょうか。
マゾ男とM男も同義とは思えないし、どちらがより変態かは不明です。
あまり根拠はありませんけど、僕なりの勝手な解釈でいくと、
沼正三 がマゾで、
谷崎潤一郎 はM男といった感じでしょうか...
(よけいに意味不明かも...)
それから、男女格差もありますね。M女はかわいいけど、M男はキモイとか。
初音ミクの「どえむ」は雌豚ですが「えむ」のジェンダーはさておき、これまで僕は表現として「マゾ」も「M」も意識的に区別してきませんでした。
なぜなら両者の違いを明確に定義できるほど理解してないし、異なるにしても共通している部分も多いと思うからです。
まぁ似たようなものだろうと。
ただ僕は、自分のことをどえむ(ドM)とは思っていません。
そこまで言えるほどではないんじゃないかな....
かといってもちろん
「正しいマゾ」なんかでもありませんが、正直よくわからない(>_<)
ざっくばらんには「仮性マゾ」(ひと皮むけてないマゾ)ではないかと思っています。

初音ミクのこの歌を聴いてしまうと「マゾ」という表現よりは、そこはかとなくかわいらしく感じられる
「どえむ」 しかも平仮名なので「ドM」ともちょっと微妙に違うような気がする。
言葉の受けとめかたは人それぞれだろうし、世代でも異なるでしょう。
あらたまって「私は
マゾヒストです」なんて言うと相手に引かれそうですne
間違いなく引かれるって (。。)☆\バキ「僕ってどえむだったりなんかして~^^ 」みたいな自己紹介は許されるかも?
SMクラブなどで「わたくし、どえむなんで、どうぞよろしく」なんて言われても、女王様だってどのようにプレイを組み立てればよいのか戸惑ってしまいますよね。

従来のドMのイメージ?

コレは金魚マゾ
それにしましても、この歌詞はかなり逝けていると思います。
きみは どえむ かなり どえむ ♪
なんとなく、言われてみたいかも鴨川~(^^) あるいは、言われて心地よい。
恋人に言われて初めて自覚するような人もいるのでしょうか。
自分でも知らなかった、気持ちの片隅に眠っていたナ・ニ・カ。
音楽が優れているのは共感を呼び覚ますという特性です。
「マゾ」や「M男」という旧来の表現では覚醒しきれなかった己の真実が、「どえむ」という新たなキーワードによって浮き彫りにされる。
表現としての使われ方が軽くやわらかくなっても、そこに内在するクオリアは豊かに、複雑になったのかもしれません。
心の奥で共振するマゾヒズムの闇は深い。
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最近は「こいつ真性マゾだから……」と言われることが多いです。
「ドM」というのは、単なる性格表現の言葉になっちゃったみたいです。
なので女性に軽蔑されて羞恥体験したいときは、「俺マゾヒストだから……」と言うのがいいみたいです。
「マゾヒスト」だとなんか生々しいし、性癖を想像しちゃいますからね。きっと蔑んだ目で見てくれるはずです。