
SMサロンなるところに初めて行って来ました。フェティッシュ・バーやSMラウンジと似たようなものだろうと思っていたら、それは間違いだった。どのように違うのか?
人によって「サロン」という用語の使い方、受けとめ方にバラツキがあるのかもしれない。もともとはフランス語で、辞書的な言い方をするなら知的な会話を楽しむ社交の場、みたいなイメージか。
スナックだろうが居酒屋だろうが、気の合う仲間が集まれば、サロンっぽい空間が自然発生しそうなものだが、もっと高度に洗練されたコミュニティが、サロンと呼ばれるにふさわしい。そして、本場おフランスの宮廷や貴族の邸宅では、「女主人」が文化人や学者、作家らを招いてこの種のサロンを主催していたのだ。
現代のSMサロンでも、やはり女主人がお客をもてなす。しかし、明確な説明が難しいのだけれど、きちんとした接客システムが確立されていないような印象で、客にとって居心地がいいかどうかは成り行きまかせみたいなところがある。ハプニング的なことは期待はできても保証の限りではない。下手すると文字通りの放置プレイになってしまう可能性がある。しかし、そこにいるのは自分の性癖を知る人ばかりである。
特にミストレスの
「あんたの趣味はわかっているのよ」 的な目線はM男的には心地良いものと言えるのかもしれない。
マイミクさんがよく行ってるお店なので、なんとなく雰囲気はわかっているつもりでいた。しかしいざ初めて行くとなると緊張するものである。場所もホームページで確認はしてはいたのだけれど、近くまできたら「電話しなさい」という点がSMクラブっぽい。わかりにくい場所にあるんだなコレが。妖しげな店のドアには看板もなく、インターホンを押して中にいれてもらう。お座敷ではないのに靴を脱がされるところが何ともアットホームです。初めてのお客さんは、SMクラブで書かされるようなカウンセリングシートに自分の性癖を書くことになる。普段恥ずかしい性癖をブログで書きまくっているくせに、ここでまごついてしまった。
チェック項目に□マゾと□フェチがあるが、両方にマークすべきか、マゾだけにすべきか真剣に悩んだ(30秒ぐらい)他にもいろいろと、口に出せないような告白を迫られる質問が並ぶ。ある意味でそのお店に馴染むための「同意書」みたいな趣旨を兼ねているのだが、やはり心理的なプレッシャーがある。よほど遊び慣れていないとスラスラと自分の性癖を書きこめるものではない。ちょっとドキドキしながら書いたが、この時点で客は選別されるのだろう。このやりとりについてこれないレベルは来なくていいですという感じ?
HPやブログを公開しているか?という項目もあり、全てありのままに書いてミストレスに手渡した。他のミストレス達が次々にそれを回し読みしていく。たった今自分が書いたその恥ずかしいモノが、今まさに読まれている!
最後に広い部屋の奥の方にいた、存在感のある有名女王様の手に渡り、
彼女はソファーにうつ伏せになりながら
かったるそうに 読みはじめた。
「あ~、読まれてる・・・今、俺の性癖がバレる」(←あたりまえじゃん)
これがいわゆる
「カミングアウトサロン」 と呼ばれる所以か。
この間、僕はアホみたくポツンと独りでカウンターに座っていた。間がもたないよ。モジモジしながらビールをちびちび飲んだ。
ついに「こちらへどうぞ~」と言われて、奥のサロン風のスペースへ。その場所では、ミストレスがソファーや椅子に座り、客はフロアに直に座るのがお約束なんですと。目の前には先ほどの有名女王様の素晴らしく美しい脚がどアップで迫る位置にある。
「あなたのブログ、読んだことないけど タイトルだけ知ってるわよ」 う~ん、ソレって喜んでいいのか、がっかりしたらいいのかがわからん。知ってるのなら読んでいてくれてもよさそうなものなのに。
まあ、どちらかと言えばM男向けブログですからね。別に女王様が読んでなくてもいいようなものだけど、本当は読んでもらいたいという気持ちはある。それなのに「今度ぜひお読み下さい」とは、言えなかった。やっぱり少し萎縮していたのだと思う。「はあ、どうも」と、つまらないリアクションしか返せなかった。
目の前に美しい女性がいるというそれだけで、舞い上がっていた。
そこには数人のM客もいて、僕のブログのことは意外と知られていた。
「M男ブログの中では有名ですよ」 「おもしろい」
「マニアックすぎる!」 「プレイ体験記とかは書かないの?」 とかなんとか、いろいろ言われたりしている。
変態ブログをこっそりと書いている自分の身元がそこではバレているのだ。
地位も家族もある 僕(笑)にとって、これは
致命的 である(泣)...
だけど、なんとなく
まったりしていていい感じ。
ここには
「キモい」 とか、
「オマエ氏ねや」 などという匿名のコメントを書き込むような輩はいない。嗜好や変態性のベクトルが異なっても、相手をリスペクトした会話が行われる。ミストレス達も口調はタカピーだがそれはご愛嬌で、根は優しそうな女性ばかりだ。まさしくここはサロン。
このお店の魅力の秘密がわかったような気がした。

おもむろに二人の女王様に挟まれ、正座している僕の膝が踏まれる。二人とも椅子に座っているので、体重はかかってこない。左側にはさきほどの有名女王様。右側にもネットやグラビアで人気のアイドル女王様の脚が。
いったいどういう会話の流れだったのかよく覚えていないが、どちらの脚がスベスベしているか?とか、どっちがいい?みたいな聞かれ方をされたような気がする。リスキーな質問だ。
「答えようによっては、ただじゃおかないわよ!」とも言われてビビる。どぎまぎして黙っていると、僕の両手は、お二人の女王様の太ももに触れるように誘導された。猫の頭をなでるように、両手で同時に二人の女王様の太ももをなでなでする僕。
あ、頭がクラクラしてきた。
「ほらほら、お得意の文章力で何とか言ってごらん!」 なかなか高度な言葉責めになってきました。パニクって何と言って切り抜けたか記憶にない。切羽詰まって何かを言ったのだが、「上手くはぐらかされた気がする」と言われて、とりあえず許してもらう。
きちんと接客してくれるじゃん。
いい
お店 です。また行きたくなりました。
【関連項目】
■ 粋な会話をしたい■ SMを楽しむために
■ 解禁モモカ!
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