
今からちょうど15年前、春川ナミオ氏はSM雑誌の取材に応じられたことがあります。
僕の知る限りでは、春川さんご本人がメディアに登場したのはおそらくこれが初めてだったのではないでしょうか。
この翌年(1998年)にも「お尻倶楽部」という、SMとはちょっと異なるテイストのマニア向け雑誌で、松沢呉一氏(スナイパーEVEなどで女王様のインタビューなどを手がけるライター&エディター)の記事にも登場しましたが、滅多なことでは顔を出さない寡黙な巨匠だっただけに、一時期話題となりました。
とはいっても、顔は出さずに写真では後ろ姿だけでしたが、長年沈黙していた大御所の肉声には感銘を受けたのでした。
この1990年代後半という時代は、すでにSMも社会的に認知されて久しく、ブームを越えて安定した爛熟期だったのだと思います。
春川さんは北川プロ主催の女王様オーディションの審査員などもされたりしていました。

クリックすると拡大画像で記事本文がお読み頂けます 独特の筆致は、それが「マゾ画」であることを差し引いても強烈な印象を残してくれます。
オーソドックスな芸術的感動がそこにはある。
鮮やかな色彩はないのだけれど、とことん描き込まれたディテールからは画家の魂が伝わってくる。
鉛筆による素朴なモノトーンの味わいが、ある一つのメッセージを強調しているかのよう。

*写真は全て「S&Mスナイパー」1997年7月号より SMやこの分野に特に興味のない人でも、芸術表現としてこの職人芸に触れてみる価値はあります。
S男性ですら様々な解釈を抱き、その「果実」を心の中に思い描く風景に投影するはず。
- 関連記事
-