マゾヒスムとはいったいどういうものなのか、長年考えてきましたが、ここに一つの解明の光を見たような気がする。
日常から非日常へ、支配的立場から服従的立場への転落という構図は、トラディショナルなマゾヒズムの基本です。
おそらく全てのアブノーマル願望の本質には、この「胸キュン」現象が関与しているのであり、そこにはどういうシチュエーションで萌えるかという個人差や嗜好性の違いがあるにすぎない。
「ご主人様」と呼ばれてキュンとなる人もいれば、「この変態野郎!」と罵倒されて萌える人もいるわけで。
せっかく敬語を使われていたのに、あるタイミングでタメ口に切り替わった時に萌えるというのは、現代的草食系マゾヒズムには、十分ストライク・ゾーンなのであろう。
僕も40代ぐらいまでは、自分の口のききかたがなっていないのを棚に上げて、目下の人間のぞんざいな言葉遣いに内心「ムッ」としたりもしたのですが、いい歳になってくると、何だか知らないけど寛容になってくる。
というか、
どうでもよくなっちゃうんですよね、もう。
もちろん言葉は大切だし、言葉責めも好きなので、こだわりはあります。
ある時期から、若い女の子たちの男の子みたいな口調や、純正な大和撫子ラインから外れたトーンにどことなく惹かれるものを感じるようになってきた。
若い人には意味不明でしょうけど、一度でも新人の指導的立場や管理職などを経験した中年以降の世代であれば、この4コマ漫画のように、年下の美少女からの「タメ口」攻勢に惹かれる心理はよくわかるのではないだろうか。
あえて「美少女」と書きましたが、ここに同性愛的な要素が絡んでくるとよくわからん(>_<)
ゲイM Tさんとか秋山さんなら、美少年にタメ口きかれたら萌えることもあるのかな?
それはともかくとして、それまで対等か、こちら側が支配的なポジションにいたのに、瞬間的に発生する想定外の立場の逆転が、マゾヒズムのツボの一つを刺激してくれることは確かであろう。
本名を呼び捨てにされたり、部下から屈辱を受けるというストーリー・プレイが欧米の Femdomシーンでは定番です。
これとは逆に、女王様から敬語で言葉責めされて萌える屈折したマゾヒズムもある。
これなどは敬語表現が高度に細分化される嗜好から出て来たオプションみたいなもので、日本独特の文化だと思う。
メイド喫茶が日本でヒットするわけです。
沼正三的にはゆるいと言えるのかもしれませんが、価値の多様化とともにマゾヒズムもグローバル化してきました。
いずれにしても女王様には、上品に、美しい日本語を話して頂きたいと僕は願っています。
どうでもいいか、そんなコト。 【少しは関連するかもしれないエントリー】
■ 胸キュン!(←死語?)
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敬称一つにしたって。さん、さま、ちゃん、女王様……、それで相手との関係が違ってきます。
S女の敬語はかなり萌えですね。「土下座していただけませんでしょうか」。S女のタメ口も結構好き。「ねえ、足舐めてよ」。S女の命令口調がまたたまらん。「早くチンコ出せ!」