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マゾヒズムに花束を!

恥ずかしくて、ためになる情報発信 Female Domination & BDSM

ラシオラのSM 朝霧リエの思想と美学 

朝霧リエ

 朝霧リエが目指していたのは、

コミュニケーションとしてのSM であり、


 女王様が真のマゾヒストを心酔させ、支配することを可能とする環境を構築し、アーティストとしてのドミナを育成していくことにあった。

 元来プライベートSMから出発した朝霧は、不特定多数を相手とする「ビジネスとしてのSM」をほとんど重視していない。

 10年以上も前からフリーでやってきた彼女の場合、ある特定の顧客だけを相手にした趣味のSMと言ってもさしつかえないのだが、SMの多様性を認めつつ、独自のコンセプトを当初から抱いていた。

 ファッション・ヘルスやM性感と変わらぬサービスが提供されることも多いSMクラブの中にあって、ラシオラは純粋なSMの美学を守ろうとする。

 あまりにも画期的だったその発想は当時は理解されず、さながら前衛芸術家のユートピア思想のように誤解された。

雑誌「卑弥呼」表紙・朝霧リエs

 ラシオラでの新人女王様の採用規準は高く、大卒であることが条件ではないものの、不特定多数を対象としなければならないノウハウには、大卒同等レベルの教養が必要だと朝霧は判断した。それ以上の知的センスをドミナに求めていたのは、彼女のこだわりでもあった。

 それというのも、注文のウルサい様々なタイプのマゾヒストを相手とするのに、上滑りの知識と経験だけで接客させるのは、ドミナ本人のみならず、客であるマゾヒストにとっても不幸な結果になることを知っていたからである。

 性をシンボライズした単純な業務ではなく、

  人としての関係性にコミットした

    インタラクティブなセッション

 を実現するための要素として、技術や経験以上に「知性」や「品格」といったものを重視していたのだろう。

 その当然の結果として、クオリティの高いセッションが提供されてきたのである。

 風俗という枠にとらわれることなく、高品質なSM文化を切り開こうとしていた。

 ラシオラには昔から帰国子女や語学堪能なドミナも多く、外国人客の需要にも応えることが可能な、世界中にクライアントを持つ国際的なSMクラブとしても認知されている。指先のテクニックだけで男を逝かせるたぐいの場所ではない。

 ただ単に「射精」を目的とするだけの客を想定していない。そういう人は他に行って下さいという立場。



 さらに朝霧は、業界の達人に委嘱した本格的な鞭や縛りのワークショップや講習を企画し、西欧のSM観を学ぶためのヨーロッパ研修を手がけるなど、次世代ドミナの指導育成にも積極的に取り組んできた。

 彼女の求心力に集まったドミナ予備軍は、客の言いなりになってひたすら奉仕する風俗嬢ではなく、

精神的にもマゾヒストを支配する能力 を備えた、

気高いドミナとして成長していった。


 技術と精神の向上、動と静の調和を意識した啓蒙活動は、閉塞的なSM社会に光明を差し込んでいた。

 このような思想と行動力はSM業界を牽引していく一方で、突出した存在感を見せつけ、妬みや批判の対象になりやすかった。

  たかが風俗のクセにお高くとまりやがって

 みたいなノイズも多かった。

 ラシオラのドミナは高邁なSM観ばかりをふりかざして、M側の顧客満足度を軽視しているという声も聞かれた。

 そういった指摘も間違いではないのかもしれない。



 しかしそれはラシオラに限った話ではなく、どこの有名SMクラブに足を運んだとしても、自分の思い通りにさせてくれない、してくれないという失望を味わうリスクは常にある。

 それはそれとして、SMを本質的に理解していたハイレベルなマゾヒストたちからは、熱烈に受け入れられていた事実も見のがせない。

 もちろん、他のSMクラブや女王様の中にも同様の信条で発展してきたところはあるだろう。

 しかしラシオラほどラディカルに、妥協を許さぬやりかたで飛躍してきた例は他にない。

 朝霧リエのラシオラが築いてきた実績と価値観は、

今回の摘発で否定されるべきものではない。

 それとコレとは話が別なのである。

 罪は罪として認めて反省するだろうし、あれだけ真摯な姿勢で取り組んできたリエさんのこと。なんとしても再起動に向けて頑張って欲しいと願っている。



ラシオラのオープン当初、1998年ぐらい?の広告
朝霧リエの熱いメッセージが異彩を放つ。若かった。




関連エントリー】

■ ラシオラよ永遠に!

■ 朝霧リエさん逮捕

■ 朝霧リエに調教されたドM有名人とは?

■ 今そこにある危機

憧れの朝霧リエさんと



*他のブログでのエントリー

伝説のSM女王様・朝霧リエ容疑者お縄








 秋葉原の大事件後だけに、紙媒体ではもうこれ以上は出ないことを秘かに願っていたのだが、フライデーがやってくれた。ここの編集部にシンパはいなかったらしい。いや客はいたとしても、ラシオラは好みのタイプの店ではなかったのかもしれない。

 気持ち的にこの件はもうそっとしておいて欲しい。自分だって毎日のようにさんざん書いておきながら言えた義理ではないけれど、ある意味では自業自得のおそまつな事件。本来ならばそれほど大騒ぎするようなものではないはずだ。大手新聞社だって彼女の実名報道には配慮していた。

 これほどまでに朝霧リエを吊るし上げる必然性がどこにあるというのか。SMという狭い世界ではセレブだが、芸能人ではないのに。僕は朝霧さんと面識はないが、SMというものに同じ思い入れを持つ仲間として、彼女の思想や実績は認めたいと思っている。






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[ 2008/06/14 05:32 ] 報道 | トラックバック(-) | CM(0)
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